◆ 自分を後回しにしていませんか?
「彼のために努力しなくちゃ」「家族を助けなきゃ」「私が頑張らないと」
家族、友人、職場の同僚…。大切な人を思うがゆえに、つい自分のことを後回しにしてしまう。
けれど、ふと気づくと心も身体もクタクタになっていて、イライラしたり、
虚しさを感じたりしてしまう——。そんな経験はありませんか。
私はあります。
優しさのつもりで手を差し伸べていたのに、どこか無理をしていて、感謝されないと
不満になったり、疲れ切ってしまったり。
その結果、夜に眠れなくなり、動けなくなり、「もう何もしたくない。」と無気力になった。
そんな時に思ったんです。
「私は、なんで自分が幸せじゃないのに誰かを幸せにしようとしているんだろう。」と
そこで、本当の意味で人に優しくするには、まず「自分が幸せであること」が必要だということに
気がつきました。
◆ 与えるには、まず自分が満たされていることが重要
「自分自身が満たされなければ、他者を満たすことはできない」
これは、ゴータマ・シッダールタ(のちのブッダ)の言葉だと伝えられています。
私たちは、両手で水をすくうようにして、自分を満たし、心を満たし、そこから溢れた水を
誰かに分け与えることができます。
逆に、自分の手の中にほとんど水がない状態で与えようとしても、手の水はどんどん減っていき、
やがては何も残らなくなってしまいます。
そして、満たされていない心から出てくる「親切」は、不満や歪みを生んでしまいます。
「こんなにやってあげてるのに」「なんであの人は分かってくれないの?」という不満。
それが積もると、優しさではなく、自己犠牲や見返りを求めた押しつけへと変わっていきます。
だからこそ、大切なのは「まず自分を大切にすること」。
しっかり休む、美味しいものを食べる、自分の気持ちを認める、好きなことをする——。
そんな小さな自分への愛が積み重ねることで、心の余裕を生み出します。
そして、心にゆとりがあるとき、人は自然と誰かに優しくなれるものです。
溢れた分の思いやりは、相手に負担を与えることなく、静かに、温かく届いていきます。
それは見返りを求めない、ほんとうの優しさです。
イメージしてみてください
あなたは友達と食事に行きました。
あなたはステーキとフライドポテトを頼み、友達はハンバーグを頼みました。
食べ進めていくと、お腹がいっぱいになってしまい、ポテトの量が思っていたよりも多くて
残してしまいそうです。
そんな時、友達から「それ食べてもいい?」と聞かれました。
あなたはきっと「いいよいいよ!全然食べて!」と答えるのではないでしょうか。
なんででしょう?
それはきっと、自分のお腹が満たされているからではないでしょうか。
たくさん食べてお腹はいっぱい。
むしろ、これ以上食べたら苦しくなってしまう。
でも、残すのも申し訳ないから食べきらなくては。。。
そんな時に来た友達からのお願い。「助かった!」と感じるはずです。
◆ 自分を満たすことは、甘えじゃない
さて、少し脱線してしまいましたが、
「自分に優しくするなんて、わがままなんじゃないか」、「甘えでは?」
そう思ってしまう人もいるかもしれません。
でも、それは違います。
自分を大切にすることは、他人を大切にするための準備です。
まずは、自分の心の声に耳を傾けてみてください。
何に疲れているのか、何を求めているのか、どんなときに癒されるのか。
それに気づくだけでも、少しずつ心は満たされていきます。
そして、自分の気持ちが分かったら
あとは満たしてあげるだけです。
愛するペットと遊ぶ、友達と出かける。趣味に没頭する。この日だけは!と決めてとことん怠ける。
あなたがあなた自身に優しくすることは、誰かに優しくできる第一歩です。
大事なのは、まずは自分が満たされること。
そして、自分の中から溢れた分で誰かを満たしてあげる。
今日一日、ほんの少しでもいい。
自分のための時間、自分のための言葉を、自分のための優しさをどうか忘れずに。
おわり。
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