避けられない苦しみとの向き合い方 〜仏教の「四苦八苦」から学ぶ人生の知恵〜

人生

◆人生で経験する8つの苦しみ

「なんで自分だけ、こんなに辛い思いをするんだろう?」

 

日々を生きる中で、ふとそんな風に感じたことはありませんか?
仕事のストレス、人間関係の悩み、大切な人との別れ……
誰にでも訪れる感情なのに、なぜか自分だけが取り残されたような気持ちになってしまう。

 

でも、実は私たちが経験する苦しみの多くは、誰にも共通しており、避けられないものなのです。
そしてそのことを人は、何千年も前から知っていました。

 

今回は、仏教で語られている「四苦八苦(しくはっく)」という教えを通して
私たちが直面する苦しみの正体と、それとの向き合い方について深く掘り下げていきます。

 

◆四苦八苦とは?

仏教では、人生の基本は「苦しみ」であると考えられています。
そして、その「苦しみ」は8つの種類に分けることができるとされています。

 

「四苦八苦ぐらい聞いたことがある」と思う方もいるかもしれませんが
その一つひとつを改めて見つめ直すことで、今の自分の在り方や生き方に
新たな視点をもたらしてくれるはずです。

 

◼ 四苦(基本の4つの苦しみ)

  • 生苦(しょうく)
    この世に生まれることそのものが苦しみであるという考えです。
    もちろん、子供の誕生は喜ばしいことですが
    そんな子供は生まれ落ちた瞬間から成長と共に老いてゆき、身体と心を病み
    そして最後は死に向かって歩んでいくことになります。
    つまり、子どもの誕生は喜びであると同時に、そこには苦が存在する。ということです。

 

  • 老苦(ろうく)
    少しずつ、でも確実に年を取るということ。
    年をとっていく中で、視力が衰え、体力が落ち、見た目が変わっていく。
    どんなに美しかった人も、健康だった人も、避けられない変化です。
    そして後半になればなるほど、身体の違和感と向き合い、病気になることに怯えます。

 

  • 病苦(びょうく)
    病気になる苦しみ。
    健康を当たり前だと思っていた日常が、一瞬で変わる現実を経験します。
    身体の痛みや不安、将来への恐れなど、心にも身体にも影響し、その恐怖とも戦い続けなければいけません。

 

  • 死苦(しく)
    死の恐怖や、死に向かうプロセスの苦しみ。
    私たちは生まれた瞬間に死ぬことが決まっており、今この瞬間も人生の終わりへ向かって進んでいます。
    そしてそれは、自分自身の死以外にも、大切な人の死もあり、それとどう向き合うかが重要になってきます。
    この苦しみは、考えれば考えるほど、胸が辛くなるものです。

 

◼ 八苦(残り4つの苦しみ)

  • 愛別離苦(あいべつりく)
    愛する人との別れ。
    家族、恋人、友人、恩師…… どれほど大切な存在であっても、永遠にはいられない現実。
    「一緒にいたいのに、一緒にいられない。」「触れて声が聞きたいのに、もう会えない。」
    まるで永遠のように感じる関係も、少しずつ変化し、終わりに近づいています。

 

  • 怨憎会苦(おんぞうえく)
    嫌いな人、苦手な人とも関わらなければならない苦しみ。
    「あの人に会いたくないな。」「また何か言われるの嫌だな。」
    職場、学校、家庭……育った環境や価値観もみんな違うからこそ
    どこにでも人間関係の摩擦はあります。

 

  • 求不得苦(ぐふとっく)
    欲しいものが手に入らない苦しみ。
    地位、愛、成功、お金…… どれだけ願っても、努力しても、思うようにならないことがある。

 

  • 五蘊盛苦(ごうんじょうく)
    自分自身の心と身体すら思い通りにならない苦しみ。
    感情がコントロールできなかったり、 やろうと思っても動けなかったりする葛藤。
    自分の思う理想の自分と現実の自分が違うことによる苦しみです。

 

これら8つの苦しみ、特に最初の4つは、どんなに努力しても回避することはできません。
自分が老いることは止められないし、病気になるタイミングも決められない。
ましてやいつ死ぬのかなんて予想もできません。

 

ですが、それをあらかじめ「知っている」だけでも、心の在り方は大きく変わります。

 

苦しみにどう向き合えばいいのか?

では、どうすればこの「四苦八苦」と上手に向き合っていけるのでしょうか?

 

大切なのは、「今、この瞬間をどう生きるか」を意識することです。

 

◎ 未来の苦しみに備える「今」の行動

私たちは、苦しみを完全に避けることはできません。
でも、それに備えることはできます。

 

  • 老いや病気への備え
    定期的に運動をする、栄養バランスを考えた食事を心がける。
    健康診断を定期的に受け、今の自分の状態を知る。
    自然や動物に触れ、心の健康にも気を付ける。

 

  • 死や別れへの備え
    家族との時間を大切にする、感謝の気持ちを伝える。
    今しかできないことに目を向ける。
    周りの目や印象よりも、自分が後悔しないように行動する。

 

  • 心のコントロールの練習
    日記を書く、マインドフルネスや瞑想を取り入れる。
    感情を客観的に見つめる習慣を持つ。

 

  • 私のおすすめ
    筋トレです。
    もちろんすぐに結果は出ず、見た目に変化が出てくるのには時間がかかります。
    最初の方は食事の管理や運動する頭への切り替えも工夫が必要ですが、見た目に変化が出てきたとき、それまでの頑張りが報われた気がして気分が良くなります。

 

私は男性なので、男性目線で書かせていただきますが
ポッコリ出た下っ腹よりも、引き締まった身体の自分の方が好きになれます。
猫背で丸まった背中よりも、背筋が伸びており、胸が前に出た姿勢の方が自信が持てます。
太く、筋肉質な足や腕を持つことで怖いものが減ります。←※特に人間関係で。

 

そしてついには、前のポッコリお腹の猫背で細かった自分に戻るのが怖くなって
運動すること、筋トレをすることが当たり前になってきます。

 

◆知っているからこそ、備えることができる。

人生の基本は「苦しみ」である。

 

そう聞くと、少し怖く感じるかもしれません。
しかし、仏教の教えは「苦しみがあるからこそ、それをどう乗り越えるかを考えなさい。
そして、乗り越えて幸せになりなさい。」
優しく語りかけてくれているようにも思えるのです。

 

だからこそ、今あなたにできることは 「未来に備えて、今日を丁寧に生きること」。

 

人との時間を大切にすること、健康に気を配ること、自分の感情に気づくこと。
その一つひとつが、未来の苦しみを少しだけ軽くすることにつながります。

 

おわり。

 

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